昼下がりのコーヒーブレイク 「宇宙の理」 2009年2月号
大麻の話
●スピィリチャルに関心のある人なら誰でも、宇宙の果てはどうなっているのかを一度は考えたことあるでしょう。
現代では我々が属する「太陽系」は恒星と星間惑星が数千億個集まる「銀河系」の中にあるとされています。更に銀河系の集団が何百個も集まり「銀河群」を作っています。カントはこれを「島宇宙」と言いました。銀河群 がまた集まって「超銀河団」を作っているとされています。しかしいろいろと調べても、その後はどうなっているのかはあやふやです。
その答えにはなりませんが、エドウィン・ハッブルが発見したバップルの法則によって「宇宙は膨張している」とされています。じゃあ、膨張しているその先には何があるのでしょうか? それとも何も無いのでしょうか? 何も無い状態とはどういう状態なのでしょうか? 何と答えられても「じゃあ、何も無いその先は?」と果てしなく疑問がわきます。
NASAの2003年の観測結果からは、宇宙は約137億年前に生まれたと推定されています(ビッグバン)。じゃあ、宇宙が誕生する前には、その空間には何があったのでしょうか。
宇宙は無から突然誕生したもので、宇宙には大きさがある、つまり「制限」をどうも私たちは求めてしまうようです。存在の枠というものを前提としています。でも宇宙には本当に誕生があって大きさがあるのでしょうか。私たちは私たちの判る範囲で理解できるように(科学的に)答えを出そうとします。これが「限り」があるとする三次元物質社会での思考癖です。
地球の限界、銀河系の限界は確かにあります。人間にも限界はあります。しかし子孫を残して行きますので人類には限界は無いのです。三次元は無機、有機の集まりで永遠の生命循環、エネルギー循環を継続しています(無機物もエネルギーです)。ワンネスという考えからは、三次元にも限界はないのです。宇宙は無限で、無始というのが私の思うところです。石油というエネルギー
1973年のオイルショック時に「石油は30年後に枯渇する」と言われました。それから既に35年が経っています。いったい石油はいつ枯渇するのか。実は石油はまだまだ40年とか50年は持つと言われているのが一般的ですが(それでもその時点で全くなくなるということは無い)、実は今でも年々、確認されている世界の石油の埋蔵量は増え続けているのです。これは、まだ100年分とか埋蔵されている可能性もあるということです。
三菱総合研究所の環境・エネルギー研究本部の園山実氏によると、石油の埋蔵量というのは「石油の確認埋蔵量は産油国や石油会社の発表値に基づく推定量である。この数字は十分な相互の検証を経たものではなく、石油にまつわるビジネスや各国の資源政策の思惑を足し算した結果を埋蔵量と呼んでいるにすぎない」ということです。
私もそれは知っていましたが、改めて認識したいことは、私たちは産油国のデータ捏造やミスリードで石油価格をコントロールされている可能性が大であるということです。ともかく石油価格は昔から枯渇が喧伝され上昇し、しばらくすると下降するということの繰り返しです。制限があるエネルギーを世界が必要としていて、それを一部が持つということは大きな特権で、とても儲かるのです。だから石油産業を維持させるためなら何だってしてきました。
万が一、石油が無尽蔵に近いとしても、無くなることを心配させることで利益をもたらす石油というエネルギーは、未来人類にとって本来のエネルギーではないのです。
本当に大麻は悪なのか
大麻エネルギーについて考えてみます。
最近は芸能人から学生まで大麻(マリファナ)所持で続けざまに逮捕されていますが、大麻は麻薬ではありません。実際、麻薬取締法とは別に大麻取締法は制定されていて、麻薬とは違う分類です。
麻薬は身体にかなり悪い影響を与えたり、依存性・習慣性があったりして、その服用が切れると禁断症状が出るなどの症状があり、命も危険にさらされます。それゆえに取り締りされます。この後、詳しく触れますが、大麻にはこのいずれの危険性も無いことが、世界中の権威ある機関で証明されています。
しかしながら一方で、2006年には国連薬物犯罪事務所(UNODC)事務局長のA。M.コスタは、「大麻の有害性はコカインやヘロインなど、他の植物性薬物と大差がない」と発言しています。これは環境問題で生活している人たちが、環境問題がなくなるとお金が回らなくなって困るのと同じで、根拠がないのでは・・と私は勘ぐってしまいます。何故ならば後述する世界各国の科学的な専門機関などはこぞって大麻無害説を発表しているからです。
大麻は再生可能な無限のエネルギーです。日本では特例を除いて大麻の栽培は禁止されていますが、欧米では栽培はほぼ解禁されていて、大麻を医療の現場に使う試みも広く行われています。とくに喘息などには大麻はよく効いていました。
大麻は依存性においてはタバコや酒を大きく下回ります。アメリカの全米科学アカデミー科学研究所が1999年に発表したデータでは、依存性に関してはアルコールが15%でタバコが32%認められたのに対し、大麻は9%です。この報告書では大麻は比較的無害であることも記されています。
大麻に気持ちを高揚させたり食欲を推進させたりするものがあるのは事実ですが、それはすべての大麻ではありません。大麻にある「カンナビノール」という成分が精神に少しの影響を与えますが、日本で太古から戦後間もなくまで大量に栽培されていた大麻草にはこれがほとんど含まれていないのです。全く含まれていない大麻もあります。
インド大麻などは比較的カンナビノールの多い大麻草ですが、それでも1893年にイギリス政府の「インド大麻薬物委員会」で3,600ページを越える報告をしていますが、
「身体的にも精神的にも特異的な体質の人を除けば強い影響は認められない」としています。
さすがにこれは古いと感じられる方も居られるかもしれませんが、1940年にアメリカの当時のニューヨーク市長が大麻には毒性はないのではないか? との疑問から「ニューヨーク医学アカデミー」に要請して開いた専門化20人の委員会を開きました。ここでのアメリカのカンナビノールの多く含まれた大麻の服用調査でも、
「特に攻撃的にはならず、犯罪との関連はない」「性欲を特別高めるような興奮作用はない」
「禁断症状はない」
「数年にわたって大麻を吸い続けても精神的・肉体的機能が落ちることはない」ということになりました。
世界保健機構(WHO)の1970年の報告での11人の学者の検証結果でも、同様の結果が出ています。これは、アルコール、ニコチン、インド大麻、麻薬摂取の結果の相対性を調べたものです。
奇形の発生がないこと、衝動的行動がないこと、大麻を吸い続けても摂取量が段々と増えることがないこととし、更に禁断症状は認められないと結論付けています。タバコと比べてもタバコは精神的依存性が「強い」にたいして大麻はその依存性が「中程度」としています。
1972年当時のニクソン米国大統領が開いた委員会の結果です。ニクソン元大統領は「マリファナ及び薬物乱用に関する全米委員会」を開きました。これは先のニューヨーク市長が「ニューヨーク医学アカデミー」に要請して開いた専門化委員会とは逆に、大麻の毒性を決定的にしようというニクソン元大統領の意図からの調査依頼でした。
調査結果はニクソン氏の期待を裏切るものとなりました。
「マリファナを吸うことで起こる身体機能障害について、決定的な証拠はなく、極めて多量のマリファナであっても、それだけで致死量には達しない」
「マリファナが人体に遺伝的欠陥を生み出すことをしめす信頼できる証拠は存在しない」
「マリファナが暴力的ないし攻撃的行為の原因になることを示す証拠はない」「マリファナは犯罪の源とならないし、犯罪と関係することもない」
そして脈拍の増加、最高血圧の低下、最低血圧の上昇、目の症状に幾つかの変化があるものの、結論としては、
「通常の摂取量ではマリファナの毒性はほとんど無視してよい」となりました。政治的な圧力があった可能性のある委員会もマリファナの危険性をほぼ否定したのです。
1994年にはアメリカ国立薬物研究所が麻薬と嗜好品との比較表を出しましたが、ここでも、
依存性
ニコチン6、アルコール3、カフェイン2、大麻1
禁断性
ニコチン4、アルコール6、カフェイン2、大麻1
陶酔性
ニコチン2、アルコール6、カフェイン1、大麻3
身体的に宜しくない依存性と禁断性は大麻が最も少ないのです。
怠慢な日本
日本では、ほんの一部の産業用での栽培は認められていますが、所持する事は違法です。日本ではそもそも厚労省に大麻は人に害があるか無いかのデータすらない(調べていない)のだそうです(東京世田谷区の「大麻堂」麻枝氏)。
以前、「ダイオキシン」は人間には無害で、死者はおろか患者すら一人も出ていないと書きましたが、大麻も似たようなものです。
私は、日本は勿論、海外でも大麻吸引の経験はありませんが、経験者が書いたり語ったりしたものからは気分を増幅させるということはあるようです。そういう意味で、大麻はタバコよりも酒に近いものと捉えられると思います。しかも酒のように理性を失うということは無いようです。
先のデータからも、健康と依存性についての優劣ということを考えると、タバコや酒のほうがずっと分が悪いことが一目瞭然です。大麻より有害で依存性が高いタバコを禁止して大麻を合法化したほうが良いのです。アメリカでのマリファナ喫煙者で毎日吸う人はたったの1%だそうです。
ここで誤解のないように言っておきますが、私は別に大麻の吸引を勧めてはいません。何故なら、病人は別にしても健康な人には特に必要のない嗜好品と考えるからです。
石油メジャーの思惑
さて、先の石油の話と繋がりますが、大麻が世界的に栽培、所持、吸引などで規制を強めたのは、石油メジャーの思惑ということが出来ます。
もう一つ、アメリカで1917年に禁酒法が制定(1920より施行)されたことも関係があります。この場合の「酒」とはウィスキーなどのスピリッツで、ワインなどは対象外です。そして禁酒法は酒を飲むことは禁止せず、作ることと販売のみを禁止したものでした。だからアルカポネをはじめギャングが蔓延り、密製造・密輸入・密売が盛んになり、その取り締まり強化で沢山の警官が採用されました。が、1933年に禁酒法が廃止され、警官が余り、その再就職先といういい加減な動機で1937年に大麻を規制する大麻課税法が制定されています。しかしながら、大麻規制の動機としては石油メージャーの意志のほうが強いのだと思います。
後述しますが、大麻は石油に変わるエネルギーとなってもおかしくないものでした。しかも石油とは違って循環型の絶えることなきエネルギー源です。実を食せば身体に良く、草は環境に優しく、麻など衣服としても優れたものです。
ただ、栽培する土地なども必要ですから、地下を掘れば出てくる原油ほど効率的ではありません。しかし埋蔵に限りがあるだけではなくて、一部の地域でしか採掘できない不平等なエネルギーが普遍的なエネルギーとして正しいわけがありません。人類は石油という安直なエネルギーを見つけたことで、精神を超える文明の発展を遂げてしまったかのようです。
大麻というすぐれた素材が何故、規制されたかというと、世界を石油資源中心に動かそうという政治的な意図を持つ者にとって、大麻産業という無限のエネルギー産業は邪魔になるのです。
それが最近、石油を含めたエネルギー源の限界や環境に対しての配慮から、大麻産業は世界的に見直されています。実際に大麻産業はEU諸国をはじめ諸外国で規制が解かれています。
産業用としては1990年代にイギリス、オランダ、オーストリア、ドイツ、カナダ、フランスが解禁し、2000年以降はポルトガル、ベルギー、ロシアと続いていて、ドイツは大麻栽培援助金まで出しています。
オランダでは1976年に寛容政策が行われ、コーヒーショップやユースセンターでの大麻販売を認め、大麻吸引の解禁もしました。若者がコカインなどのハードドラッグに流れないための防止策として大麻の吸引を合法化したのです。20年以上も前から18歳以上のオランダ市民は政府が管理するコーヒーショップでマリファナを選び、購入し、喫煙して楽しんでいるのです。だったら18歳になったらオランダの若者達は大麻コーヒーショップに我先に行くのかというと、そうではないのです。オランダのマリファナ初体験の平均年齢は20歳です。つまり、大麻は解禁されるとそれほど強い興味を持たれないのです。
諸外国が大麻を徐々に解禁にしているのは、先の全米科学アカデミー科学研究所等の多くの研究機関の他に、1995年にイギリスの医学雑誌「ランセット」に30年に亘る調査で、「大麻の喫煙は長期に及んでも健康に有害ではない」という見解が示されたことも大きいのです。ランセットは5年後にも同じような記事を書いています。ランセットは、同じイギリスの「ネイチャー」や、アメリカの「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に匹敵する格式高い医学雑誌です。また政治・経済史ですが、同じイギリスの「エコノミスト」も大麻の合法化を一貫して唱え続けています。
日本の場合、大麻は戦前まですべて合法でした。それが戦後GHQの占領下で1948年に「大麻取締法」が制定され、国内の栽培も減少の一途を辿ったのです。世界的に大麻解禁に向けているのに日本は一向に解禁へとは進んでおらず、海外から大麻原料を輸入しています。何と勿体ないことでしょうか。世界が変わっても日本だけは大麻弾圧を続けています。しかも古来から日本ほど大麻と関わってきた国はないというのに。
大麻は太古から神聖なもの
大麻は英語では「ヘンプ」と言われ、日本でも本来は麻薬をイメージする「マ」ではなく「おおあさ(ぬさ)」と呼ばれるものです。大麻は日本では太古から神示と深い関わりがあります。穢れを祓う神聖な植物とされていました。皇室祭祀、伝統行事、神示で纏う神衣、神社の注連縄(しめなわ)は勿論、鈴を吊るしている縄も大麻から作られます。伊勢神宮に祀ってある天照大神の御神体は鏡と大麻です。大麻も鏡も天照大神の象徴である太陽を具現化したものです。伊勢の神宮のお神札は神宮大麻といいます。
赤ん坊に麻の葉模様の産着を着せればまっすぐに育つと言われています。邪神と戦う儀式として始まった大相撲の横綱の化粧まわしも大麻で出来ています。それに日常的に私たちが着る麻の衣服は多くあります。麻は静電気を発生させないので快適ですし、技法によってはシルクのように仕上げることも出来ます。
天皇陛下は、皇位継承の大嘗祭にあたって「日本国内で栽培された大麻」のあらたえ(天皇が即位後、初めて行う践祚大嘗祭で、悠紀殿・主基殿の神座に 神衣として祀る織物)をお召しになると規定されています。この事は憲法に記されていることもあり、仕方なく一部細々と大麻は国内で栽培されています。
大麻栽培は悪であるとするならば、皇位継承は不可能となるのです。
優れた資源としての大麻
人間、動植物から草木まで、大きな環境の変化がない限り、その1個の肉体が死に絶えたとしても、命は子孫へと受け継がれ、途絶えるということは起こりません。私たちの生命エネルギーの循環というものは必ず継続するものです。
その生命を維持する核となるエネルギーも循環するものでなければなりません。そのエネルギー源も消えてなくなるものではなくて、本来は循環型のものでなければなりません。例えば水力発電などは循環している「水」を利用するものですからとても理に適っています。現在は地球の人口が増えすぎているのでこういった手法だけでは間に合いませんが、これに大麻などが加えられれば充分なエネルギーとなったものだと思います。
大麻はオイル、パスタなどの食品にもなります。大麻の実は麻(お)の実(み)と言い、高蛋白でビタミンが豊富で、身体に良いものです。身近なところでは七味唐辛子などにも入っています。油は貴重なオメガ3、6、9の脂肪酸を豊富に持ちます。実、油共にどちらも美味しいです。私も毎日、大麻の実を豆乳に混ぜたりサラダに掛けたりして食していますが、世界的にまだ栽培の規制があり高価なものですから少しずつしか食べられません。
その他、木の四倍の生産性がある大麻紙は200年経っても劣化しないと言われています。服地、断熱材、建築素材(ボード)にも使われます。大麻ボードはコンクリートのように頑丈で、変形が自由なのです。100年掛けて育てた木から半年で育つ大麻に建材を変えれば、環境にも良いのです。しかも耐火性に優れ、通気性の良い壁財としても優れものです。このように大麻からは何万種類の工業製品が生産されます。
大麻の丈は3mから5mで、葉は手のひらの形をした1年草です。1年草といっても半年で育ちます。
しかも綿のような農薬や化学肥料を必要としません。大麻は古来より魔法の素材でありました。
石油に代わるエネルギー
大麻は石油に代わるエネルギー源となり得た優れた循環資源だったのです。最近はバイオ燃料としてトウモロコシを使用することなどが騒がれていますが、トウモロコシなどの植物がエネルギーになると喧伝されているのもお金が儲かるからで、本当は非合理的なことです。元々食料はエネルギーをかけて作るものであり、その逆は宇宙の法則に反しています。
それより短期間で、無農薬で簡単に栽培でき、種の全体の25%から30%もの油が採れる(茎からも採れる)大麻を選択しない手はなかったのです。大麻を燃料とする大麻プラスチックボディの超軽量自動車は既に、フォードによって作られました。1929年のことです。
アメリカが石油に頼らず大麻だけをエネルギー源とするためには北アメリカの6%の土地で大麻を栽培しなければならず、完全に石油に代わることは不可能ですし、今からではどうにもなりません。
アメリカ政府は1937年に「大麻が地球で栽培される植物で最も有益」という声明を出したにも拘わらず、石油資本家の工作等で当時48州のうち46州でマリファナ課税法を作り莫大な税金を要求し、事実上大麻栽培は消滅しました。この時点で地球のエネルギー政策は失敗したと言えそうです。すべては「欲と我」が招いたことです。
大麻を石油に代わるエネルギー源とすることは、今となってはもう遅いのですが、人類がその器にふさわしい欲求で生活することで満足するならば、人類はいつか人間らしい生活を取り戻し、ユートピアを実現させるでしょう。
石油というエネルギー
1973年のオイルショック時に「石油は30年後に枯渇する」と言われました。それから既に35年が経っています。いったい石油はいつ枯渇するのか。実は石油はまだまだ40年とか50年は持つと言われているのが一般的ですが(それでもその時点で全くなくなるということは無い)、実は今でも年々、確認されている世界の石油の埋蔵量は増え続けているのです。これは、まだ100年分とか埋蔵されている可能性もあるということです。
三菱総合研究所の環境・エネルギー研究本部の園山実氏によると、石油の埋蔵量というのは「石油の確認埋蔵量は産油国や石油会社の発表値に基づく推定量である。この数字は十分な相互の検証を経たものではなく、石油にまつわるビジネスや各国の資源政策の思惑を足し算した結果を埋蔵量と呼んでいるにすぎない」ということです。
私もそれは知っていましたが、改めて認識したいことは、私たちは産油国のデータ捏造やミスリードで石油価格をコントロールされている可能性が大であるということです。ともかく石油価格は昔から枯渇が喧伝され上昇し、しばらくすると下降するということの繰り返しです。制限があるエネルギーを世界が必要としていて、それを一部が持つということは大きな特権で、とても儲かるのです。だから石油産業を維持させるためなら何だってしてきました。
万が一、石油が無尽蔵に近いとしても、無くなることを心配させることで利益をもたらす石油というエネルギーは、未来人類にとって本来のエネルギーではないのです。
本当に大麻は悪なのか
大麻エネルギーについて考えてみます。
最近は芸能人から学生まで大麻(マリファナ)所持で続けざまに逮捕されていますが、大麻は麻薬ではありません。実際、麻薬取締法とは別に大麻取締法は制定されていて、麻薬とは違う分類です。
麻薬は身体にかなり悪い影響を与えたり、依存性・習慣性があったりして、その服用が切れると禁断症状が出るなどの症状があり、命も危険にさらされます。それゆえに取り締りされます。この後、詳しく触れますが、大麻にはこのいずれの危険性も無いことが、世界中の権威ある機関で証明されています。
しかしながら一方で、2006年には国連薬物犯罪事務所(UNODC)事務局長のA。M.コスタは、「大麻の有害性はコカインやヘロインなど、他の植物性薬物と大差がない」と発言しています。これは環境問題で生活している人たちが、環境問題がなくなるとお金が回らなくなって困るのと同じで、根拠がないのでは・・と私は勘ぐってしまいます。何故ならば後述する世界各国の科学的な専門機関などはこぞって大麻無害説を発表しているからです。
大麻は再生可能な無限のエネルギーです。日本では特例を除いて大麻の栽培は禁止されていますが、欧米では栽培はほぼ解禁されていて、大麻を医療の現場に使う試みも広く行われています。とくに喘息などには大麻はよく効いていました。
大麻は依存性においてはタバコや酒を大きく下回ります。アメリカの全米科学アカデミー科学研究所が1999年に発表したデータでは、依存性に関してはアルコールが15%でタバコが32%認められたのに対し、大麻は9%です。この報告書では大麻は比較的無害であることも記されています。
大麻に気持ちを高揚させたり食欲を推進させたりするものがあるのは事実ですが、それはすべての大麻ではありません。大麻にある「カンナビノール」という成分が精神に少しの影響を与えますが、日本で太古から戦後間もなくまで大量に栽培されていた大麻草にはこれがほとんど含まれていないのです。全く含まれていない大麻もあります。
インド大麻などは比較的カンナビノールの多い大麻草ですが、それでも1893年にイギリス政府の「インド大麻薬物委員会」で3,600ページを越える報告をしていますが、
「身体的にも精神的にも特異的な体質の人を除けば強い影響は認められない」としています。
さすがにこれは古いと感じられる方も居られるかもしれませんが、1940年にアメリカの当時のニューヨーク市長が大麻には毒性はないのではないか? との疑問から「ニューヨーク医学アカデミー」に要請して開いた専門化20人の委員会を開きました。ここでのアメリカのカンナビノールの多く含まれた大麻の服用調査でも、
「特に攻撃的にはならず、犯罪との関連はない」「性欲を特別高めるような興奮作用はない」
「禁断症状はない」
「数年にわたって大麻を吸い続けても精神的・肉体的機能が落ちることはない」ということになりました。
世界保健機構(WHO)の1970年の報告での11人の学者の検証結果でも、同様の結果が出ています。これは、アルコール、ニコチン、インド大麻、麻薬摂取の結果の相対性を調べたものです。
奇形の発生がないこと、衝動的行動がないこと、大麻を吸い続けても摂取量が段々と増えることがないこととし、更に禁断症状は認められないと結論付けています。タバコと比べてもタバコは精神的依存性が「強い」にたいして大麻はその依存性が「中程度」としています。
1972年当時のニクソン米国大統領が開いた委員会の結果です。ニクソン元大統領は「マリファナ及び薬物乱用に関する全米委員会」を開きました。これは先のニューヨーク市長が「ニューヨーク医学アカデミー」に要請して開いた専門化委員会とは逆に、大麻の毒性を決定的にしようというニクソン元大統領の意図からの調査依頼でした。
調査結果はニクソン氏の期待を裏切るものとなりました。
「マリファナを吸うことで起こる身体機能障害について、決定的な証拠はなく、極めて多量のマリファナであっても、それだけで致死量には達しない」
「マリファナが人体に遺伝的欠陥を生み出すことをしめす信頼できる証拠は存在しない」
「マリファナが暴力的ないし攻撃的行為の原因になることを示す証拠はない」「マリファナは犯罪の源とならないし、犯罪と関係することもない」
そして脈拍の増加、最高血圧の低下、最低血圧の上昇、目の症状に幾つかの変化があるものの、結論としては、
「通常の摂取量ではマリファナの毒性はほとんど無視してよい」となりました。政治的な圧力があった可能性のある委員会もマリファナの危険性をほぼ否定したのです。
1994年にはアメリカ国立薬物研究所が麻薬と嗜好品との比較表を出しましたが、ここでも、
依存性
ニコチン6、アルコール3、カフェイン2、大麻1
禁断性
ニコチン4、アルコール6、カフェイン2、大麻1
陶酔性
ニコチン2、アルコール6、カフェイン1、大麻3
身体的に宜しくない依存性と禁断性は大麻が最も少ないのです。
怠慢な日本
日本では、ほんの一部の産業用での栽培は認められていますが、所持する事は違法です。日本ではそもそも厚労省に大麻は人に害があるか無いかのデータすらない(調べていない)のだそうです(東京世田谷区の「大麻堂」麻枝氏)。
以前、「ダイオキシン」は人間には無害で、死者はおろか患者すら一人も出ていないと書きましたが、大麻も似たようなものです。
私は、日本は勿論、海外でも大麻吸引の経験はありませんが、経験者が書いたり語ったりしたものからは気分を増幅させるということはあるようです。そういう意味で、大麻はタバコよりも酒に近いものと捉えられると思います。しかも酒のように理性を失うということは無いようです。
先のデータからも、健康と依存性についての優劣ということを考えると、タバコや酒のほうがずっと分が悪いことが一目瞭然です。大麻より有害で依存性が高いタバコを禁止して大麻を合法化したほうが良いのです。アメリカでのマリファナ喫煙者で毎日吸う人はたったの1%だそうです。
ここで誤解のないように言っておきますが、私は別に大麻の吸引を勧めてはいません。何故なら、病人は別にしても健康な人には特に必要のない嗜好品と考えるからです。
石油メジャーの思惑
さて、先の石油の話と繋がりますが、大麻が世界的に栽培、所持、吸引などで規制を強めたのは、石油メジャーの思惑ということが出来ます。
もう一つ、アメリカで1917年に禁酒法が制定(1920より施行)されたことも関係があります。この場合の「酒」とはウィスキーなどのスピリッツで、ワインなどは対象外です。そして禁酒法は酒を飲むことは禁止せず、作ることと販売のみを禁止したものでした。だからアルカポネをはじめギャングが蔓延り、密製造・密輸入・密売が盛んになり、その取り締まり強化で沢山の警官が採用されました。が、1933年に禁酒法が廃止され、警官が余り、その再就職先といういい加減な動機で1937年に大麻を規制する大麻課税法が制定されています。しかしながら、大麻規制の動機としては石油メージャーの意志のほうが強いのだと思います。
後述しますが、大麻は石油に変わるエネルギーとなってもおかしくないものでした。しかも石油とは違って循環型の絶えることなきエネルギー源です。実を食せば身体に良く、草は環境に優しく、麻など衣服としても優れたものです。
ただ、栽培する土地なども必要ですから、地下を掘れば出てくる原油ほど効率的ではありません。しかし埋蔵に限りがあるだけではなくて、一部の地域でしか採掘できない不平等なエネルギーが普遍的なエネルギーとして正しいわけがありません。人類は石油という安直なエネルギーを見つけたことで、精神を超える文明の発展を遂げてしまったかのようです。
大麻というすぐれた素材が何故、規制されたかというと、世界を石油資源中心に動かそうという政治的な意図を持つ者にとって、大麻産業という無限のエネルギー産業は邪魔になるのです。
それが最近、石油を含めたエネルギー源の限界や環境に対しての配慮から、大麻産業は世界的に見直されています。実際に大麻産業はEU諸国をはじめ諸外国で規制が解かれています。
産業用としては1990年代にイギリス、オランダ、オーストリア、ドイツ、カナダ、フランスが解禁し、2000年以降はポルトガル、ベルギー、ロシアと続いていて、ドイツは大麻栽培援助金まで出しています。
オランダでは1976年に寛容政策が行われ、コーヒーショップやユースセンターでの大麻販売を認め、大麻吸引の解禁もしました。若者がコカインなどのハードドラッグに流れないための防止策として大麻の吸引を合法化したのです。20年以上も前から18歳以上のオランダ市民は政府が管理するコーヒーショップでマリファナを選び、購入し、喫煙して楽しんでいるのです。だったら18歳になったらオランダの若者達は大麻コーヒーショップに我先に行くのかというと、そうではないのです。オランダのマリファナ初体験の平均年齢は20歳です。つまり、大麻は解禁されるとそれほど強い興味を持たれないのです。
諸外国が大麻を徐々に解禁にしているのは、先の全米科学アカデミー科学研究所等の多くの研究機関の他に、1995年にイギリスの医学雑誌「ランセット」に30年に亘る調査で、「大麻の喫煙は長期に及んでも健康に有害ではない」という見解が示されたことも大きいのです。ランセットは5年後にも同じような記事を書いています。ランセットは、同じイギリスの「ネイチャー」や、アメリカの「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に匹敵する格式高い医学雑誌です。また政治・経済史ですが、同じイギリスの「エコノミスト」も大麻の合法化を一貫して唱え続けています。
日本の場合、大麻は戦前まですべて合法でした。それが戦後GHQの占領下で1948年に「大麻取締法」が制定され、国内の栽培も減少の一途を辿ったのです。世界的に大麻解禁に向けているのに日本は一向に解禁へとは進んでおらず、海外から大麻原料を輸入しています。何と勿体ないことでしょうか。世界が変わっても日本だけは大麻弾圧を続けています。しかも古来から日本ほど大麻と関わってきた国はないというのに。
大麻は太古から神聖なもの
大麻は英語では「ヘンプ」と言われ、日本でも本来は麻薬をイメージする「マ」ではなく「おおあさ(ぬさ)」と呼ばれるものです。大麻は日本では太古から神示と深い関わりがあります。穢れを祓う神聖な植物とされていました。皇室祭祀、伝統行事、神示で纏う神衣、神社の注連縄(しめなわ)は勿論、鈴を吊るしている縄も大麻から作られます。伊勢神宮に祀ってある天照大神の御神体は鏡と大麻です。大麻も鏡も天照大神の象徴である太陽を具現化したものです。伊勢の神宮のお神札は神宮大麻といいます。
赤ん坊に麻の葉模様の産着を着せればまっすぐに育つと言われています。邪神と戦う儀式として始まった大相撲の横綱の化粧まわしも大麻で出来ています。それに日常的に私たちが着る麻の衣服は多くあります。麻は静電気を発生させないので快適ですし、技法によってはシルクのように仕上げることも出来ます。
天皇陛下は、皇位継承の大嘗祭にあたって「日本国内で栽培された大麻」のあらたえ(天皇が即位後、初めて行う践祚大嘗祭で、悠紀殿・主基殿の神座に 神衣として祀る織物)をお召しになると規定されています。この事は憲法に記されていることもあり、仕方なく一部細々と大麻は国内で栽培されています。
大麻栽培は悪であるとするならば、皇位継承は不可能となるのです。
優れた資源としての大麻
人間、動植物から草木まで、大きな環境の変化がない限り、その1個の肉体が死に絶えたとしても、命は子孫へと受け継がれ、途絶えるということは起こりません。私たちの生命エネルギーの循環というものは必ず継続するものです。
その生命を維持する核となるエネルギーも循環するものでなければなりません。そのエネルギー源も消えてなくなるものではなくて、本来は循環型のものでなければなりません。例えば水力発電などは循環している「水」を利用するものですからとても理に適っています。現在は地球の人口が増えすぎているのでこういった手法だけでは間に合いませんが、これに大麻などが加えられれば充分なエネルギーとなったものだと思います。
大麻はオイル、パスタなどの食品にもなります。大麻の実は麻(お)の実(み)と言い、高蛋白でビタミンが豊富で、身体に良いものです。身近なところでは七味唐辛子などにも入っています。油は貴重なオメガ3、6、9の脂肪酸を豊富に持ちます。実、油共にどちらも美味しいです。私も毎日、大麻の実を豆乳に混ぜたりサラダに掛けたりして食していますが、世界的にまだ栽培の規制があり高価なものですから少しずつしか食べられません。
その他、木の四倍の生産性がある大麻紙は200年経っても劣化しないと言われています。服地、断熱材、建築素材(ボード)にも使われます。大麻ボードはコンクリートのように頑丈で、変形が自由なのです。100年掛けて育てた木から半年で育つ大麻に建材を変えれば、環境にも良いのです。しかも耐火性に優れ、通気性の良い壁財としても優れものです。このように大麻からは何万種類の工業製品が生産されます。
大麻の丈は3mから5mで、葉は手のひらの形をした1年草です。1年草といっても半年で育ちます。
しかも綿のような農薬や化学肥料を必要としません。大麻は古来より魔法の素材でありました。
石油に代わるエネルギー
大麻は石油に代わるエネルギー源となり得た優れた循環資源だったのです。最近はバイオ燃料としてトウモロコシを使用することなどが騒がれていますが、トウモロコシなどの植物がエネルギーになると喧伝されているのもお金が儲かるからで、本当は非合理的なことです。元々食料はエネルギーをかけて作るものであり、その逆は宇宙の法則に反しています。
それより短期間で、無農薬で簡単に栽培でき、種の全体の25%から30%もの油が採れる(茎からも採れる)大麻を選択しない手はなかったのです。大麻を燃料とする大麻プラスチックボディの超軽量自動車は既に、フォードによって作られました。1929年のことです。
アメリカが石油に頼らず大麻だけをエネルギー源とするためには北アメリカの6%の土地で大麻を栽培しなければならず、完全に石油に代わることは不可能ですし、今からではどうにもなりません。
アメリカ政府は1937年に「大麻が地球で栽培される植物で最も有益」という声明を出したにも拘わらず、石油資本家の工作等で当時48州のうち46州でマリファナ課税法を作り莫大な税金を要求し、事実上大麻栽培は消滅しました。この時点で地球のエネルギー政策は失敗したと言えそうです。すべては「欲と我」が招いたことです。
大麻を石油に代わるエネルギー源とすることは、今となってはもう遅いのですが、人類がその器にふさわしい欲求で生活することで満足するならば、人類はいつか人間らしい生活を取り戻し、ユートピアを実現させるでしょう。
参照:産経新聞2008年10月20日、日本経済新聞2008年12月12日、週刊朝日2008年10月24号、「麻ことのはなし」中山康直著(評言社)、「大麻ヒステリー」武田邦彦(光文社)、Marijuana Myths. Marijuana Facts:仮訳物(版元: Lind smith Center)、WEBサイト「マリファナ青春旅行」他